医療負担が軽くなる後期高齢者医療制度とは

後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者に向けた医療制度です。75歳を迎えると、これまで加入していた国民健康保険から自動的に加入することになります。75歳未満でも、障害など特別な理由があれば、後期高齢者医療制度に加入することができるのも特徴です。手元には「後期高齢者医療被保険者証」が届き、病院窓口での自己負担は原則1割になります。自己負担分は個人の収入によって変わることがあり、高所得者は3割の負担額です。低所得者は毎月支払う金額に上限があり、外来は月8000円までと決められているのです。

ただ、2020年12月に後期高齢者の自己負担額の変更が、全世代型社会保障検討会議で閣議決定されました。2022年後半からは、課税所得が28万円以上の人や年収200万円の人たちは、2割の医療負担になる予定です。後期高齢者医療制度が誕生したのは平成20年のことで、高齢者の暮らしに合った医療が受けられるようにとスタートしました。より充実した医療や介護を受けられるように、この制度が実施されたのです。

制度を運営しているのは「後期高齢者医療広域連合」で、手続きや届け出などの受付は市区町村が担当しています。保険料は年金から自動的に引かれ、自分たちでわざわざお金を納める必要はありません。財源となっているのは半分が公費、残りは現役世代からの支援金や高齢者から集められた保険料で賄われています。現役世代が支払う支援金は年々負担額が大きくなっていると言われていて、高齢化社会が進む日本ではさらに多くの支援金が必要だと考えられています。